組織的な窃盗の重罰化法案 団体の活動として組織で行う窃盗は「1年以上の有期拘禁刑」に いまの窃盗罪は10年以下の拘禁刑か50万円以下の罰金
テーマ:国会・治安|出来事:2026年6月23日(提出)〜2026年7月24日(閉会中審査の申出)〜2026年10月5日(第222回国会で付託)〜審議中|最終更新:2026年10月31日

法律案の中身は、衆議院のページに載っている法律案の要綱と本文の字です。いまの刑法の罰は、e-Gov の法令 API で取った刑法の字です。国会の発言は、国会会議録の字です(# は会議録の発言番号)。第222回国会の会議録には、2026年10月25日の時点でこの法律案の審議はありません。
要点
- 国民民主党・無所属クラブは、第221回国会に、組織で行う窃盗などの罰を重くする法律案を出しました。提出者は河井昭成議員ら4人です。組織的犯罪処罰法と刑事訴訟法を直す法律案です。(資料01・02)
- 窃盗が、団体の活動として、そのための組織で行われたときは「1年以上の有期拘禁刑」にします。いまの刑法の窃盗罪は「十年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金」です。法律案のあとは罰金だけで済む道がなくなり、下限が1年になります。(資料02・03)
- 盗品を有償で譲り受けるなどの罪も、団体の活動として組織で行われたときは「1年以上の有期拘禁刑及び50万円以下の罰金」にします。いまの刑法の第256条第2項は「十年以下の拘禁刑及び五十万円以下の罰金」です。(資料02・03)
- 刑事訴訟法の「合意制度」(捜査に協力する代わりに処分を軽くする合意)の対象の犯罪に、窃盗、その未遂、盗品の有償譲受けなどと、上の2つの罪を加えます。施行は公布から20日を過ぎた日です。第221回国会では審議されないまま閉会中審査に回り、第222回国会の10月5日に法務委員会に付託されています。(資料01・02・04)
根拠
いまと法律案のあと
| 罪 | いま(刑法) | 法律案のあと(組織的犯罪処罰法 第3条第1項に足す) | 出典 |
|---|---|---|---|
| 窃盗(刑法第235条) | 10年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金 | 団体の活動として組織により行われたとき:1年以上の有期拘禁刑(新第13号) | 資料02・03 |
| 盗品の運搬・保管・有償譲受け・有償処分のあっせん(刑法第256条第2項) | 10年以下の拘禁刑及び50万円以下の罰金 | 団体の活動として組織により行われたとき:1年以上の有期拘禁刑及び50万円以下の罰金(新第16号) | 資料02・03 |
ほかに要綱にあること
- 「団体の活動」は「団体の意思決定に基づく行為であって、その効果又はこれによる利益が当該団体に帰属するもの」(資料02 一1)
- 刑事訴訟法第350条の2第2項の合意制度の対象に、刑法第235条の罪・第243条の罪(第235条に係るもの)・第256条第2項の罪と、上の2つの罪を加える(資料02 二)
- 施行は公布の日から起算して20日を経過した日(資料02 三)
比べ方の注意
- 「有期拘禁刑」の上限は、刑法の一般の決まり(第12条)によります
- 「組織により行われた」に当たるかどうかの判断は、組織的犯罪処罰法の決まりと裁判で決まります。この法律案が新しく作る定義は「団体の活動」の言い方までです
資料
資料の一覧(5件)
| 番号 | 資料 | 種類 | 確かめた日 |
|---|---|---|---|
| 01 | 衆議院「衆法 第221回国会 21 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案」議案審議経過情報 https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/keika/1DE2D3A.htm 参議院の議案のページ https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/222/meisai/m222090221021.htm | 公式資料 | 2026-10-25(提出者 河井昭成君外三名・提出会派 国民民主党・無所属クラブ。衆議院の付託 2026年10月5日 法務委員会。審査終了・審議終了の欄は空。参議院のページの提出日 令和8年6月23日・衆継続) |
| 02 | 衆議院 同法律案の本文と要綱 https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g22105021.htm https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/youkou/g22105021.htm | 公式資料 | 2026-10-25(要綱の一〜三と、本文の附則を読んだ) |
| 03 | 刑法 第235条・第256条(e-Gov 法令検索。2026年5月21日施行の版) https://laws.e-gov.go.jp/law/140AC0000000045 | 法令 | 2026-10-25(法令 API で取得) |
| 04 | 国会会議録 衆議院 法務委員会 2026年7月24日 #6・#7(閉会中審査の申出) https://kokkai.ndl.go.jp/txt/122105206X02320260724/6 | 会議録 | 2026-10-25 |
| 05 | 国会会議録検索システム https://kokkai.ndl.go.jp/ | 会議録 | 2026-10-25 に、発言の API で第221回国会・語「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律及び刑事訴訟法」を検索。3件(7月24日の議院運営委員会と法務委員会の閉会中審査の件だけ)。第222回国会の会議の一覧(28件)のうち、この法律案を審議した会議録は0件 |
国会のやりとり
字は国会会議録のとおりです。[中略]の所は、会議録の字を省きました。
2026年7月24日 衆議院 法務委員会(資料04)
井上英孝 委員長(日本維新の会)#6
次に、閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。
河井昭成君外三名提出、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案[中略]以上の各案件につきまして、議長に対し、閉会中審査の申出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
井上英孝 委員長(日本維新の会)#7
御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。[中略]
会派の名前は、会議録の会派の欄のとおりです。第221回国会の会議録では、この法律案の趣旨説明と質疑は見つかりませんでした。第222回国会の会議録にも、2026年10月25日の時点でこの法律案の審議はありません。
経過
| 日付 | 出来事 | 出典 |
|---|---|---|
| 2026年6月23日 | 提出(参議院のページの提出日) | 資料01 |
| 2026年7月24日 | 法務委員会が閉会中審査を議長に申し出ることに決めた | 資料04 |
| 2026年10月5日 | 第222回国会で、法務委員会に付託 | 資料01 |
| 2026年10月25日現在 | 衆議院の審査終了・審議終了の欄は空 | 資料01 |
| この後 | 委員会・本会議の採決と会派の賛否は、衆議院の記録に載ったらここに足します | 資料01 |
訂正の記録
なし
確かめた所と読むときの注意
確かめた所
- 新しい罰と合意制度の対象の追加と施行は、衆議院のページの要綱と本文(資料02)で読みました(2026年10月25日)
- いまの窃盗罪と盗品の有償譲受けなどの罰は、e-Gov の刑法(資料03)で確かめました
- 閉会中審査の申出は、国会会議録検索システムの API で取った本文と照らしました
読むときの注意
- 刑事訴訟法の合意制度の対象の範囲は、本文の書き換えの字によります
