トマホーク「1発5億2,825万円」は、2023年度予算の2,113億円を400発で割った数 防衛装備庁は「取得金額 約1,694億円」に輸送費なども含むと答弁

テーマ:防衛・予算|出来事:2023年1月30日(予算案の答弁)〜2026年5月18日(参院決算委)|最終更新:2026年10月31日

国会の発言は、国会会議録の字です(# は会議録の発言番号)。割り算と引き算は、このページで計算しました。給食の国費は財務省の資料で確かめました。トマホークの値段について、このページが拠る政府の答弁は、2026年5月18日の防衛装備庁の「取得金額 約1,694億円」と、その中身(輸送費なども含む)です。

要点

  1. 2026年5月18日の参議院決算委員会で、吉良よし子議員は、トマホークの1発の値段を「五億二千八百二十五万円」と示しました。2,113億円を400で割った数で、計算は合っています(2,113億円÷400=5億2,825万円)。2,113億円は、2023年度予算案の「総取得数に要する経費」で、2023年1月30日に浜田防衛大臣(当時)が答えました。400発は、同じ年の2月27日に政府が示した「最大」の取得数です。(資料01・02・03)
  2. 防衛装備庁は、1発の値段は答えず、「取得金額である約千六百九十四億円」には輸送費なども含むと答えました。答弁によると、この額にはミサイルの取得だけでなく「技術支援、輸送費、それからFMSで購入する上で必要な経費など」が入っています。そのため、400発で「単純に割りましても、あの数字にはならない」としています。2,113億円と約1,694億円の差は約419億円です(このページの計算)。2つの額がどういう関係か(予算の額と、取得の実際の額なのか)は、答弁に説明がありません。(資料01)
  3. 吉良議員が比べた「給食無償化の国費 1,649億円」は、2026年度の1年分の国費です。財務省の資料では、公立小学校の給食費の負担軽減の国費は「+1,649億円」(2026年度予算の政府案)。トマホークの約1,694億円や2,113億円は、最大400発を買うための総額で、1年分の額ではありません。数える期間が違う額です。(資料01・05)

根拠

数字の検算

数字中身誰の数字か出典
約2,113億円2023年度予算案で、構想している「トマホークミサイルの総取得数に要する経費」浜田防衛大臣(当時)の答弁・2023年1月30日資料02 #139
約1,104億円同じ予算案の「関連経費」。2,113億円と合わせて約3,217億円同上資料02 #139
最大400発取得の最大数量浜田防衛大臣・岸田総理(当時)の答弁・2023年2月27日資料03 #99・#101
5億2,825万円2,113億円÷400発吉良議員の計算・2026年5月18日資料01 #182
約1,694億円「トマホークミサイルの取得金額」。技術支援・輸送費・FMS で買うのに要る経費などを含む防衛装備庁の答弁・2026年5月18日資料01 #183
2億7,355万円アメリカの予算書から出した、2023年時点の1発の値段吉良議員の計算・2026年5月18日資料01 #182
1,649億円公立小学校の給食費の負担軽減(いわゆる給食無償化)の国費。2026年度予算の政府案財務省の資料資料05

このページの計算

比べ方の注意

資料

番号資料種類確かめた日
01国会会議録 参議院 決算委員会 2026年5月18日 #181〜#189
https://kokkai.ndl.go.jp/txt/122114103X00320260518/183
会議録2026-10-25
02国会会議録 衆議院 予算委員会 2023年1月30日 #138・#139
https://kokkai.ndl.go.jp/txt/121105261X00220230130/139
会議録2026-10-25
03国会会議録 衆議院 予算委員会 2023年2月27日 #98〜#101
https://kokkai.ndl.go.jp/txt/121105261X01420230227/101
会議録2026-10-25
04国会会議録 衆議院 財務金融委員会 2023年4月25日 #225(財務省 主計局長)
https://kokkai.ndl.go.jp/txt/121104376X01620230425/225
会議録2026-10-25
05財務省 主計局「令和8年度 文教・科学技術予算について」令和7年12月(政府案・PDF 4〜5ページ)
https://www.mof.go.jp/policy/budget/budger_workflow/budget/fy2026/seifuan2026/12.pdf
公式資料2026-10-25(4ページに「国費+1,649億円」、5ページに「学校給食費の抜本的な負担軽減 1,649(皆増)」。資料には「内容や計数は精査中」との注がある)
06国会会議録検索システム
https://kokkai.ndl.go.jp/
会議録2026-10-25 に、発言の API で検索。発言者「岸田文雄」・語「二千百十三」(期間の指定なし)で0件。語「二千百十三億円」・期間 2023-01-01〜2023-12-31 で15件(浜田防衛大臣・財務省 主計局長・質問した議員などの発言)

国会のやりとり

字は国会会議録のとおりです。[中略]の所は、会議録の字を省きました。

2023年1月30日 衆議院 予算委員会(資料02)

浜田靖一 防衛大臣(当時)#139

トマホークミサイルの取得数については、これを明らかにすれば我が国の具体的な防衛能力を明らかにすることとなるため、お答えできないところでありますが、我が国への侵攻を防ぎ、阻止するための、抑止するための必要数を整備する計画であります。
令和五年度予算案では、現時点で構想しているトマホークミサイルの総取得数に要する経費約二千百十三億円に、関連経費千百四億円を合わせ、計約三千二百十七億円を計上しているところであります。

2023年2月27日 衆議院 予算委員会(資料03)

浜田靖一 防衛大臣(当時)#99

防衛省として、我が国が、具体的な防衛能力が明らかな形を取らないということでお示しできるか検討を行った結果、トマホークについては、最大で四百発の取得を可能とする方向で米側と調整中と回答したいと思います。

岸田文雄 内閣総理大臣(当時)#101

[中略]トマホークに関しましては、取得予定数量について大変関心が高い事項であること、また、米国の議会プロセスの一環として、売却する可能性のある最大数量が公表されることを踏まえて、我が国として最大購入数量をお示しすることとしたものであります。
トマホークの取得数、これは四百発を予定しているというのが我が国の方針であります。

2026年5月18日 参議院 決算委員会(資料01)

吉良よし子(日本共産党)質問 #182

[中略]二〇二三年、当時の岸田首相は衆議院の予算委員会で、二千百十三億円を計上して最大四百発のトマホークを購入するということをおっしゃったわけです。一方で、アメリカの予算書に基づいてトマホークの単価というのを計算すると、二〇二三年時点で一発二億七千三百五十五万円なんですね。だけれども、岸田首相の言う二千百十三億円を単純に四百で割った場合、その単価というのは五億二千八百二十五万円にもなるわけです。
トマホークの購入費用について、一発当たりの単価がアメリカの倍近くになっているのはなぜか、防衛装備庁、お答えください。

家護谷昌徳 防衛装備庁プロジェクト管理部長 答弁 #183

お答えいたします。
自衛隊が保有する誘導弾の単価や、これを推察される情報については、我が国の具体的な防衛能力が明らかとなるため、お答えは差し控えさせていただきます。
その上で申し上げますと、トマホークミサイルの取得金額である約千六百九十四億円、これにつきましては、ミサイルの取得だけではなくて、技術支援、輸送費、それからFMSで購入する上で必要な経費など、もろもろが含まれているものでございます。そのため、トマホークミサイルの取得金額を最大購入数量である四百発で単純に割りましても、あの数字にはならないというものでございます。
したがいまして、過去の他国の実績やその他公刊情報のミサイル単価と一概に比較することはできないというふうに考えております。

吉良よし子(日本共産党)質問 #184

[中略]要するに、アメリカの言い値で買わされているということじゃないかということが見えてくると思うんですね。
ちなみに、今年度の小学校の給食無償化に係る国費負担分、これ千六百四十九億円なんですね。トマホーク購入費用よりも全然低いわけですけれども、[中略]

家護谷昌徳 防衛装備庁プロジェクト管理部長 答弁 #185

[中略]トマホークにつきましては、昨年、量産配備段階までの金額について確からしい見積りが出ましたので、それを公表したところでございます。さらに、運用時段階につきましては、今年公表するものについて含めたいというふうに思っておりまして、今作業を進めているところでございます。

小泉進次郎 防衛大臣 答弁 #189

[中略]我々、もう既に、自衛隊が使っている装備品の海外から買っているものの九割以上はアメリカです。[中略]

会派の名前は、会議録の会派の欄のとおりです。

経過

日付出来事出典
2023年1月30日浜田防衛大臣が、2023年度予算案にトマホークの取得経費 約2,113億円(関連経費と合わせ約3,217億円)を計上したと答弁資料02
2023年2月27日浜田防衛大臣が「最大で四百発」、岸田総理が「四百発を予定」と答弁資料03
2023年4月25日財務省の主計局長が「トマホークの取得費用の二千百十三億円を計上」と答弁資料04
2026年5月18日参院決算委で、吉良議員が2,113億円÷400発の1発5億2,825万円を示し、防衛装備庁が「取得金額 約1,694億円」と答弁資料01
この後装備庁が「今年公表する」とした運用の段階の費用が出たら、ここに足します資料01 #185

訂正の記録

なし

関連する解説動画

本編(7分9秒)
「軍拡」「戦争準備」と決めつけた共産党に小泉防衛大臣「正直、理解に苦しみます」質問の前提を会議録で検証 就任1年【2026年10月】
https://youtu.be/ety20qpIgcU

本編の章:

本編の題と章の言い方は番組の見せ方です。このページでは、そのうち4:52 の章の数字を、会議録と財務省の資料でさかのぼって確かめました。

確かめた所と読むときの注意

確かめた所

読むときの注意

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